交流の平均値


診療放射線技師の国家試験の計算問題で「実効値」とともに出てくる値として「平均値」があります。X線発生装置の管電流は平均値で表されますね。

平均値はその言葉通り平均値を取っているのですが、診療放射線技師の国試対策で具体的な計算方法まで勉強している人は少ないかと思います。数IIIを習っている人にとってはそこまで難しい計算ではないので、覚えておいて損はありません。
それでは解説していきます。

正弦波1周期分の平均を取ってしまうと、正と負の山が互いに打ち消しあって0になってしまいます。そこで、交流の平均値は絶対値の平均値を取ります。
交流電圧の式を波高値を\(V_p\)として、
$$v=V_psin\omega t$$
とすると、平均値は下式で計算されます。
$$V_a=\frac{1}{T}\int_{0}^{T}\left|v\right|dt=\frac{1}{T}\int_{0}^{T}\left|V_psin\omega t\right|dt\\=\frac{V_p}{T}\left\{\int_{0}^{\frac{T}{2}}sin\omega tds+\int_{\frac{T}{2}}^{T}\left(-sin\omega t \right)dt\right\}\\=\frac{V_p}{T}\left\{\left[-\frac{1}{\omega}cos\omega t\right]_{0}^{\frac{T}{2}}+\left[\frac{1}{\omega}cos\omega t\right]_{\frac{T}{2}}^{T}\right\}\\=\frac{V_p}{\omega T}\left\{\left[-cos\omega t\right]_{0}^{\frac{T}{2}}+\left[cos\omega t\right]_{\frac{T}{2}}^{T}\right\}\\=\frac{V_p}{\omega T}\left\{\left(1+1\right)+\left(1+1\right)\right\}\\=\frac{4V_p}{\omega T}=\frac{4V_p}{2\pi}=\frac{2V_p}{\pi}$$

ちなみに上式を見ればわかるのですが、絶対値をとると範囲\(0\rightarrow\frac{T}{2}\)と\(\frac{T}{2}\rightarrow T\)で値が等しくなるので、半周期分だけ平均を取って、
$$V_a=\frac{1}{T/2}\int_{0}^{\frac{T}{2}}sin\omega tdt$$
と計算した方が早いです。

電流の平均値も同様の計算で、
$$I_a=\frac{2I_p}{\pi}$$と求まります。

解説は以上となります。
計算自体はそこまで面倒ではないと思いますので、万が一平均値の変換の式を失念してしまった場合、その場で算出するのもアリかと思います。
ちなみに筆者は国試の勉強の時に、公式は覚えずに全てその場で計算していました。

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