交流の実効値について(その1)

診療放射線技師の国家試験に関する勉強をしていると、交流回路の計算でよく「実効値」という言葉を見かけると思います。
何となく実効値にそろえて計算するという人も多いと思いますが、「実効値」とは何なのか説明できるでしょうか。
これから数回に分けて実効値について解説していきます。

実効値を考える際には電力の計算が必要になるので、まずは電力の計算をしていきます。

抵抗\(R[\Omega]\)に直流電圧\(V[V]\)をかけると、\(I[A]\)の電流が流れます。
このときの抵抗での消費電力\(P[W]\)は、
$$P=VI=I^2R=\frac{V^2}{R}$$
と表されます。

直流電圧の場合は常に電圧・電流が一定なので上式で求まるのですが、交流の場合は時間とともに変化してしまうので、単純な掛け算だけでは電力を求めることができません。
そこで、電力の平均値を考えます。

今回は正弦波交流の電力について計算します。
電圧、電流の式はピーク値を\(V_p\)、\(I_p\)として、下記の通りとします。
$$v=V_psin\omega t\\i=I_psin\omega t$$
※今回は位相差なしとして考えます。

電力の平均値は1周期分だけ積分して、周期\(T\)で除することで求まります。
よって、
$$P= \frac{1}{T}\int_{0}^{T}vidt\\=\frac{1}{T}\int_{0}^{T} V_psin\omega t \times I_psin\omega t dt\\=\frac{V_pI_p}{T}\int_{0}^{T} sin^2\omega t dt\\=\frac{V_pI_p}{T}\int_{0}^{T} \frac{1-cos2\omega t}{2} dt\\=\frac{V_pI_p}{2T}\int_{0}^{T} \left(1-cos2\omega t\right) dt$$
正弦波を1周期分積分すると0になるので、\(\int_{0}^{T}cos2\omega t dt=0\)です。
したがって、
$$P=\frac{V_pI_p}{2T}\int_{0}^{T}1dt=\frac{V_pI_p}{2T}\times T\\=\frac{V_pI_p}{2}=\frac{I_p^2R}{2}=\frac{V_p^2}{2R}$$

正弦波交流の電力の平均値はこのように求まりました。
続きは次回とします。

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