2020年北海道大学物理2-2(大学入試)

前回はサイクロトロンに関する問題でしたが、今回はベータトロンに関する問題です。
単純に加速→円運動→加速→円運動→…、という訳にはいかないので、サイクロトロンより厄介ですが、高校物理の範囲で説明可能です。

はじめの等速円運動ではローレンツ力が向心力として働くから、運動方程式は
$qvB=m\frac{v^2}{R}\\v=\frac{qR}{m}\times B\cdots(5)$

周期Tは「距離÷速度」で、
$T=\frac{2\pi R}{v}=\frac{2\pi R}{\frac{qR}{m}\cdot B}=\frac{2\pi m}{qB}\cdots(6)$

ファラデーの電磁誘導の法則より、起電力の大きさは磁束の時間変化にコイルの巻き数を乗じた値に等しくなります。
今回は巻き数は1と考えて起電力Vは、
$V=\frac{\Delta \Phi}{\Delta t}=\frac{a\pi R^2 \Delta B}{\Delta t}=a\pi R^2 \frac{\Delta B}{\Delta t}\cdots(7)$

軌道1周でVの起電力が発生しているので、電場の大きさEは、
$E=\frac{V}{2\pi R}=\frac{a\pi R^2}{2\pi R}\frac{\Delta B}{\Delta t}=\frac{aR}{2}\frac{\Delta B}{\Delta t}\cdots(8)$

問題文にそって運動方程式を立てましょう。
$m\frac{\Delta v}{\Delta t}=qE=q\cdot \frac{aR}{2}\frac{\Delta B}{\Delta t}\\ \frac{\Delta v}{\Delta t}=\frac{aqR}{2m}\times \frac{\Delta B}{\Delta t}\\ \Delta v=\frac{aqR}{2m}\times \Delta B\cdots(9)$

(5)と(9)の式を比較すると$a=2\cdots(10)$
最後にこの値の意味するところを考えてみましょう。

コイル内の全磁束の式は
$\Phi=a\pi R^2B=2\pi R^2B\cdots(i)$
コイル内の磁束密度の平均値を$B^{\prime}$とおくと、磁束をコイル内の面積で割って、
$B^{\prime}=\frac{\Phi}{\pi R^2}\cdots(ii)$
(i)、(ii)より、
$B^{\prime}=2B$
つまり、円軌道上の磁束密度のは、軌道内部の磁束密度の平均値の$\frac{1}{2}$倍となる必要があります。
ベータトロンに関する入試問題では、誘導や式の形は違えどこの関係を導かせるものが多いので、知っておいて損は無いと思います。

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