放射化分析の計算式(その1)


放射線取扱主任者でも出題される放射化分析の計算式について解説していきます。

$$A=N_0 f\sigma\left(1-e^{-\lambda t}\right)\\=N_0f\sigma\left\{1-\left(\frac{1}{2}\right)^\frac{t}{T}\right\}$$
\(N_0\):ターゲット核種の原子数
\(f\):照射粒子フルエンス率(\(cm^{-2}s^{-1}\))
\(\sigma\):放射化断面積(\(cm^2\))
\(\lambda\):生成核種の壊変定数(\(s^{-1}\))
\(T\):生成核種の半減期(\(s\))

それでは上式を導出していきます。
\(N\):生成核種の原子数
とおくと、生成核種の原子数の変化速度は下式で表されます。
$$\frac{dN}{dt}=N_0 f\sigma-\lambda N\cdots(1)$$
\(N_0 f\sigma\)の項は核反応によって核種が生成する速度を表します。何故、生成速度がこのような形で表されるは、今後反応断面積に関する解説で示したいと思います。
そして、\(-\lambda N\)の項は生成核種の減衰速度です。これに関しては「放射性壊変について(その1)」を参照してください。
tは照射時間です。

(1)式を解いていきます。
$$\frac{1}{N_0f\sigma-\lambda N}\frac{dN}{dt}=1\\両辺をtについて積分して\\\int \frac{1}{N_0f\sigma-\lambda N}dN=\int dt\\両辺に-\lambdaをかけて\\\int \frac{1}{N-\frac{N_0f\sigma}{\lambda}}dN=-\lambda\int dt\\ln\left(N-\frac{N_0f\sigma}{\lambda}\right)=-\lambda t+C\\N-\frac{N_0f\sigma}{\lambda}=e^{-\lambda t+C}\\N=e^Ce^{\lambda t}+\frac{N_0f\sigma}{\lambda}\cdots(2)\\Cは積分定数$$
t=0のときN=0とすると、上式より
$$0=e^Ce^{\lambda \times 0}+\frac{N_0f\sigma}{\lambda}\\e^C=-\frac{N_0f\sigma}{\lambda}\cdots(3)$$
(3)式を(2)式に代入すると、
$$N=-\frac{N_0f\sigma}{\lambda}e^{\lambda t}+\frac{N_0f\sigma}{\lambda}\\=\frac{N_0f\sigma}{\lambda}\left(1-e^{-\lambda t}\right)\cdots(4)$$

放射化によって生成される核種の原子数は(4)式のように表されます。上記計算について数学的なお話を知りたい方は「変数分離型微分方程式」などと検索してみてください。

次回は放射能や飽和係数のお話をします。

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