第62回 午後59 放射線計測学【診療放射線技師】

放射線治療の計算で、空気の吸収線量→水の吸収線量と換算する計算をしたことがあるかと思います。
今回の問題では、それがグラファイト→水となっていると考えてください。

まず、グラファイトが$0.02[K]$上昇したときの吸収線量は、
$632[J\,kg^{-1}\,K^{-1}]\times 0.02[K]=12.64[J\,kg^{-1}]$

ここで、
吸収線量:$D$
荷電粒子のフルエンス:$\psi$
質量衝突阻止能:$\frac{S_{col}}{\rho}$
とおくと、吸収線量は下式で表される。
$D=\psi \frac{S_{col}}{\rho}$

グラファイトの吸収線量について、
$D_{C}=\psi \left(\frac{S_{col}}{\rho}\right)_{C}$
水の吸収線量について、
$D_{w}=\psi \left(\frac{S_{col}}{\rho}\right)_{w}$
として、辺々割ると、
$\frac{D_{w}}{D_{C}}=\frac{\left(\frac{S_{col}}{\rho}\right)_{w}}{\left(\frac{S_{col}}{\rho}\right)_{C}}\\D_{w}=D_{C}\cdot \frac{\left(\frac{S_{col}}{\rho}\right)_{w}}{\left(\frac{S_{col}}{\rho}\right)_{C}}$

したがって、求める吸収線量は、
$D_{w}=12.64 \times \frac{1.968}{1.745}[J\,kg^{-1}]$
計算するのが億劫な値ですね。
計算式から、$x$は12.64より少し大きい値になるのが何となく想像できるでしょうか。
ここで選択肢を見てみると、答えになりそうな値は「3、14.3」しかないことが分かります。

ここで必死に計算していては、貴重な試験時間を消費してしまいますし、ミスも誘発します。
選択肢を見れば厳密に計算しなくても答えは分かる問題も多いので、計算が面倒くさいと思ったら筆算するのではなく、一旦手を止めてできるだけ簡単にできないか考えてみるのも良いと思います。
どうしても不安な場合は、あとで時間が余ったら筆算すれば良いです。

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