第71回午前77医用工学(診療放射線技師)

Cockcroft-Walton(コッククロフト・ウォルトン)加速器の原理図を示す。変圧器電圧の最大値がVのとき、コンデンサ\(C_4\)の両端の電位差はどれか。ただし、整流器での電圧降下は0とする。


診療放射線技師国家試験の範囲で、コッククロフト・ウォルトン加速器に関して理解しなくてはいけないことと言えば、下記の2点くらいでしょう。
・他の加速器との区別
・電位の計算
今回は電位に関する問題です。

各閉回路について考える

それでは解説を始めます。
まず上のような図だと非常に解説がしづらいので次のように各点a~fを置きます。
そして、各点での電位を\(V_a\)~\(V_f\)と置きます。
ちなみにアースされているので、\(V_b=0\)です。

1、a→b→c→a

まず初めに電流がa→b→c→aと流れる場合を考えます。
この場合は単純に\(C_1\)が電源の電圧Vで充電されます。

あえて面倒くさく各点の電位を追っていくと、
\(K_1\)での電圧降下は0として考えるので\(V_b=V_c=0\)
電源の電圧はVで、bがaよりも電位が高いので\(V_a=-V\)
よって、aに対するcの電位は\(V_c-V_a=0-(-V)=V\)
したがって、\(C_1\)はVで充電されます。

2、a→c→d→b→a

次に電圧が切り替わってa→c→d→b→aと流れる場合を考えます。
ちなみにこの際、c→b方向には電流は流れません。

この時、電源の電圧はVなので\(V_a=V_b+V=0+V=V\)
\(C_1\)は電圧Vで充電されているので\(V_c=V_a+V=2V\)
よって、bに対するdの電位は\(V_d-V_b=2V-0=2V\)
したがって、\(C_2\)は2Vで充電されます。

3、a→b→d→e→c→a

さらに電圧が切り替わって、a→b→d→e→c→aと流れる時を考えます。
1、の時と電源が同じ状態です。

この場合も各点の電位を追っていきましょう。
まず、\(V_b=V_c=0\)、\(V_d=V_e=2V\)となるのはいいですね。
よって、cに対するeの電位は\(V_e-V_c=2V-0=2V\)
したがって、\(C_3\)は2Vで充電されます。

4、a→c→e→f→d→b→a

さらに電圧が切り替わって、a→c→e→f→d→b→aと流れる時を考えます。
2、と似たような感じですが、一つ一つ最初から電位を追っていきます。

まず\(V_a=V_b+V=0+V=V\)
\(C_1\)はVで充電されているので、\(V_c=V_a+V=V+V=2V\)
\(K_2\)は電位降下0なので、\(V_d=V_c\)
\(C_3\)は2Vで充電されているので、\(V_e=V_c+2V=2V+2V=4V\)
\(K_4\)は電位降下0なので、\(V_e=V_f\)
以上よりdに対するfの電位は\(V_f-V_d=4V-2V=2V\)
したがって\(C_4\)は電位差2Vで充電されます。

したがって解答は2Vです。

解くだけなら…

\(C_1\)がVで充電されて、\(C_2、C_3、C_4\)は2Vで充電されるから…、ってだけ覚えておけば、どの点の電位も求めることができます。
ただ、診療放射線技師国家試験は時間に余裕があると思いますので、解き方も知っておいて、検算できるようになればより万全でしょう。

ちなみに「コンデンサに電流が流れると、コンデンサの電圧が変化するから…」と思う方もいるかも知れませんが、問題文に指定が無いのに過渡応答を考えさせることは無いと思いますので、十分に充電されたものとして考えてます。
(…というか、この回路の過渡応答は私は考えたくないです)
今回は分かりやすいように、「a→b→c→aで電流を流れる」と書いていますが、若干不正確な表現かも知れません。電子の移動は考えず、電位だけを追っていけば大丈夫です。

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