第71回午後76医用工学(診療放射線技師)


図の回路で、スイッチSを閉じてから\(4.6[ms]\)後の回路電流\(I\)が\(1[mA]\) であった。コンデンサの静電容量\(C[\mu F]\)はどれか。ただし、\(ln10=2.3\) とする。

\(R=1\times10^3[\Omega]\)、\(E=10[V]\)、抵抗にかかる電圧を\(V_R[V]\)、コンデンサにかかる電圧を\(V_C[V]\)、コンデンサに蓄えられている電荷を\(Q[C]\)、時刻を\(t[s]\)とおきます。
電流の定義は単位時間当たりに通過する電荷量であるため、
$$I=\frac{dQ}{dt}\cdots(式1)$$
コンデンサの電荷から、
$$Q=CV_C\cdots(式2)$$
抵抗についてオームの法則から、
$$V_R=RI\cdots(式3)$$
式2を式1に代入すると、
$$I=\frac{dCV_C}{dt}=C\frac{dV_C}{dt}$$
両辺を\(t\)で積分して、
$$\int Idt=C\int dV_C=CV_C+A\\Aは積分定数$$
\(t=0[s]\)のとき、\(V_C=0[V]\)とすると\(A=0\)であるから、
$$\int Idt=CV_C\\V_C=\frac{\int Idt}{C}\cdots(式4)$$
抵抗とコンデンサにかかる電圧の和は\(E\left(=10[V]\right)\)であるから、
$$E=V_R+V_C=RI+\frac{\int Idt}{C}$$
両辺を\(t\)で微分すると、EとRは定数であるから、
$$0=R\frac{dI}{dt}+\frac{I}{C}\\ \frac{1}{I}\times \frac{dI}{dt}=-\frac{1}{RC}$$
両辺を\(t\)で微分して、
$$\int \frac{1}{I}dI=-\int \frac{1}{RC}dt\\ lnI=-\frac{1}{RC}t+B\\I=e^{-\frac{1}{RC}t+B}\\I=e^{-\frac{1}{RC}t}\times e^B\\I=De^{-\frac{1}{RC}t}\cdots(式5)\\B、Dは積分定数$$
\(t=0[s]\)のとき\(Q=0[C]\)とすると、コンデンサは短絡と同じ状態になるため、\(t=0[s]\)のとき\(I=\frac{E}{R}\)となります。
よって式5に\(t=0\)を式5に代入して、
$$I=De^{-\frac{1}{RC}\times 0}\\ \frac{E}{R}=D\times 1\\D=\frac{E}{R}\cdots(式6)$$
式6を式5に代入して、
$$I=\frac{E}{R}e^{-\frac{1}{RC}t}\cdots(式7)$$
求めるのは静電容量\(C[\mu F]\)ですので式7を\(C=\cdots\)の形に整理します。
式7より、
$$\frac{RI}{E}=e^{-\frac{1}{RC}t}$$
両辺の自然対数をとって、
$$ln\frac{RI}{E} =-\frac{1}{RC}t\\C=-\frac{1}{R\times ln\frac{RI}{E}}t\cdots(式8)$$

式8に上記の値と、\(t=4.6\times 10^{-3}[s]\)のとき\(I=1\times10^{-3}\)を代入して、
$$C=-\frac{1}{10^3\times ln\frac{10^3\times10^{-3}}{10}}\times 4.6\times 10^{-3}\\=-\frac{1}{ln10^{-1}}\times 4.6\times 10^{-6}=\frac{1}{ln10}\times 4.6\times 10^{-6}\\=\frac{1}{2.3}\times4.6\times10^{-6}=2\times10^{-6}[F]=2[\mu F]$$
よって解答は「5. 2」です。

診療放射線技師の国家試験は時間には余裕がある試験ですので、導出方法を理解しておき、その場で導出することも可能かと思います(筆者もそうしていました)。診療放射線技師国家試験で医用工学を苦手としている方は多いかと思いますが、理論を重視して勉強すると一気に解きやすくなると思います。

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