平成25年 物化生 問2-I 補足1【放射線取扱主任者】

こちらの記事の補足です。

本当にX軸方向の力積が0なのか

この問題では荷電粒子が無限遠から近づいてきて、無限遠に向かって遠ざかっていくと仮定しています。
このとき、電子が荷電粒子から受けるX軸方向の力積は0になることを利用して問題を解いていきます。
今回は本当に0になるのかを調べていきたいと思います。

電子が荷電粒子から受けるクーロン力のX軸成分を$F_X$とすると。
$F_X=Fsin\theta$
よって電子が得る運動量$P_X$は、
$P_X=\int^{\infty}_{-\infty}F_x dt=\int^{\infty}_{-\infty}Fsin\theta dt$

クーロン力$F=k\frac{ze^2}{r^2}$を代入して、
$=\int^{\infty}_{-\infty}k\frac{ze^2}{r^2}sin\theta dt$
$r=\frac{b}{cos\theta}$を代入して、
$P_X=\int^{\infty}_{-\infty}k\frac{ze^2}{b^2}sin\theta cos^2\theta dt$

それでは置換積分をしていきます。
積分区間を変更して、
$dt=\frac{b}{v}cos^{-2}\theta d\theta$
を代入すると、
$P_X=\int^{\frac{\pi}{2}}_{-\frac{\pi}{2}}k\frac{ze^2}{b^2}sin\theta cos^2\theta\times\frac{b}{v}cos^{-2}\theta d\theta\\=k\frac{ze^2}{bv}\int^{\frac{\pi}{2}}_{-\frac{\pi}{2}}sin\theta d\theta=0$(奇関数の対称性から)

ということで$P_X=0$として問題無いことが分かりました。

分からなくてもすぐには諦めない

もし問題を解いているときに、電子が受けるX軸方向の力積が最終的に0になることに気づくことができなかったらどうすればいいでしょうか。

まずは先の問題文や選択肢を見てみて、何かヒントになるものはないか考えてみましょう。
今回の問題ですと、$P_Y$は式にクーロン力が含まれている上に積分の形になっていますが、$P_X$はそれらが含まれていません。
そして選択肢にもクーロン力が含まれているようなものはありません。
このことから$P_X$と$P_Y$が全然違う形の式になることが想像できます。
勘の良い人なら、ここで対称性があって0になることに気づけるかもしれません。

もしも何も気づけない場合は、諦めて次の問題に進んだほうが良いかと思います。
そして、一通り解いてざっと見直しをした後、時間があれば今回解説したような積分計算を行って解いてみるのもアリかなと思います。

・解けなくてもすぐには諦めずに、問題文や選択肢からヒントを探してみる
・それでも解けない問題や時間がかかりそうな計算は、時間に余裕ができたら取り組む
の2点を意識してみると、パッと見では分からなかった問題でも点数を稼ぎつつ、時間のロスを減らせるのではないでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました