平成29年 物化生 問1-II【第一種放射線取扱主任者】

J、K

自発核分裂を起こすのはウラン以上の核種です。
ウランの原子番号は92ですね。
※参考書によっては、ウランより大きい元素(超ウラン元素)と表記している場合もありますが、ウランが基準になると考えて良いでしょう。

Kに関しては悪問な気がするのですが…。
解答は「6、原子番号」らしいので、クーロン効果の影響が大きいといった話なのでしょうか。
ただ、原子番号が多ければ核子数も多いし、中性子数も多いし、答えを「原子番号」に限定するには誘導が足りないような気がします。

問題文に「”毎秒”放出される中性子数を求めます。」とあります。
“毎秒”とあるので放射能の式から求めていきます。

$^{252}Cf$が$1[g]$の質量数は、
$\frac{1}{252}[mol]$

アボガドロ数$6.0\times 10^{23}$より、$^{252}Cf$の原子数は、
$\frac{1}{252}\times 6.0\times 10^{23}[個]$

$^{252}Cf$の壊変定数は、
$\frac{ln2}{2.65\times 3.16\times 10^7}\approx \frac{0.7}{2.65\times 3.16\times 10^7}[s^{-1}]$

よって放射能は、
$\frac{0.7}{2.65\times 3.16\times 10^7}\times \frac{1}{252}\times 6.0\times 10^{23}\\ \frac{0.7\times 6}{2.65\times 3.16\times 252}\times 10^{16}[Bq]$

したがって毎秒放出される中性子数は
$\frac{0.7\times 6}{2.65\times 3.16\times 252}\times 10^{16}\times \frac{3.1}{100}\times 3.76\\=\frac{0.7\times 6\times 3.1\times 3.76}{2.65\times 3.16\times 252}\times 10^{14}\\ \approx\frac{4.2\times 3\times 4}{\frac{8}{3}\times 3\times 250}\times 10^{14}\\ \approx\frac{50}{2000}\times 10^{14}=\frac{5000}{2000}\times 10^{12}=2.5\times 10^{12}[s^{-1}]$

よって解答は「12、2.3」です。

L、M

細かい導出方法は別記事で解説しますが、下式を利用します。

$E_R=E_n\frac{4A}{\left(A+1\right)^2}cos^2\theta$
$E_R$:反跳核のエネルギー
$E_n$:入射中性子のエネルギー
$A$:原子核の質量数
$\theta$:反跳角度

ここで${E_n}^{\prime}$:散乱中性子のエネルギーとおくと、エネルギー保存則より、
$E_n=E_R+{E_n}^{\prime}$
${E_n}^{\prime}=E_n-E_R=E_n\left\{1-\frac{4A}{\left(A+1\right)^2}cos^2\theta\right\}$

$0^{\circ}\leqq \theta\leqq 90^{\circ}$より、
$0\leqq cos^2\theta\leqq 1$

$cos^2\theta=0$のとき、
${E_n}^{\prime}=E_n$

$cos^2\theta=1$のとき、
${E_n}^{\prime}=E_n\left\{1-\frac{4A}{\left(A+1\right)^2}\right\}=E_n\frac{\left(A+1\right)^2-4A}{\left(A+1\right)^2}=E_n\frac{A^2+2A+1-4A}{\left(A+1\right)^2}=E_n\frac{A^2-2A+1}{\left(A+1\right)^2}=E_n\frac{\left(A-1\right)^2}{\left(A+1\right)^2}=\Lambda E_n$

よって、
$\Lambda E_n\leqq {E_n}^{\prime}\leqq E_n$

この問題に関しては問題文の記述に沿って素直に解いてみましょう。

中性子が衝突によって失ったエネルギーが、三重水素に与えられるから、
$E_R=E_1-E_2$

$E_2$は$\Lambda E_1$から$E_1$までの範囲で一様な分布であるから、単純に平均をとると、
$\overline{E_R}=\frac{\left(E_1-\Lambda E_1\right)+\left(E_1-E_1\right)}{2}=\frac{1-\Lambda}{2}E_1$

ここて、
$\frac{1-\Lambda}{2}=\frac{1-\left(\frac{A-1}{A+1}\right)^2}{2}=\frac{\left(A+1\right)^2-\left(A-1\right)^2}{2\left(A+1\right)^2}=\frac{2A}{\left(A+1\right)^2}$

三重水素の質量数$A=3$を代入して、
$キ=\frac{2\times 3}{\left(3+1\right)^2}=\frac{6}{16}=\frac{3}{8}=0.375\approx 0.38$

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