平成29年 物化生 問4-I【第一種放射線取扱主任者】

ア、C

ウランよりも原子番号が大きい元素は超ウラン元素と呼ばれ、基本的に人工で作られた元素です。
ウランの原子番号は92ですので、これは暗記しておきましょう。

A、B

正直A、Bはかなりの悪問だと思うので、捨てても結構です。
一応、可能な限り推測して解いてみます。

A、Bの解答群を眺めてみましょう。
まず、U、Rn、Acは壊変系列に登場するので、原子番号が大きめであることは想像できるでしょうか。
この3つは解答候補から除外しましょう。

実はFrとAtも壊変系列に登場するのですが、壊変系列の中でこれらの核種を覚えている人はまずいないでしょう。
別なアプローチを考えます。

Frはアルカリ金属元素の中で最も原子番号が大きいので、除外しましょう。
Atはハロゲン元素の中で最も原子番号が大きいので、除外しましょう。
※原子番号117のTs(テネシン)もハロゲン元素に分類されるそうですが、まず出題されることは無いと思うので、上記の認識で結構です。

残ったのはTcとPmです。
Pmを知っているという人はほぼいないと思うので、Tcから考えていきます。
よく核異性体転移の例で$^{99m}Tc$が出てくるのを覚えているでしょうか。
もしもTcの原子番号が61だとしたら、$^{99}Tc$は陽子数61で中性子数38となります。
中性子数が陽子数に比べて少なすぎるので、あり得なさそうですね。
ですので、原子番号43はTcであろうと推測できます。

診療放射線技師の学校に通っている人であれば、Tcは核医学によく登場するので覚えておいて損は無いかと思います。

残った61はPmですね。
ちなみにPmはプロメチウムといって、ランタノイドに属する核種です。
Pmがランタノイドに属することを知っていて、ランタンの大体の原子番号が分かっていれば、61はPmかなと推測できるかもしれませんが、そんなのを覚えてる暇があったら別なことを勉強しましょう。

D

104以上の元素の呼び名ですが、覚えてもあんまり役に立たないと思うので、消去法で解いてみましょう。

ネプツニウム系列という壊変系列があることはご存じですね。
少々強引ですが、ネプツニウムの原子番号は、他の壊変系列の始まりの元素であるウランやトリウムに近いのではないか、という推測をします。

プルトニウムは核兵器やMOX燃料などに登場するので、ウランに原子番号が近いと推測します。

ウランの原子番号が92ですので、ネプツニウムやプルトニウムでは104には届かないので、候補から外します。

残ったのが「超ランタノイド」と「超アクチノイド」です。
アクチニウムは壊変系列にも登場する元素ですので、ランタンよりも原子番号が大きいことが推測できます。
より原子番号の大きいアクチノイドが、より104に近いのではないかと推測できます。
アクチノイドは原子番号がアクチニウム以上の元素が15種類属しています。

ですので原子番号104という数字に最も到達しそうなのが「超アクチノイド」であると考えられます。

次の式を用います。
$A=\phi \sigma N$
毎秒単位面積当たりに核反応が起こる確率:$A[cm^{-2}\cdot s^{-1}]$
フルエンス率:$\phi[cm^{-2}\cdot s^{-1}]$
核反応断面積:$\sigma[m^2/cm^2/b]$
単位面積当たりの原子数:$N$

単位を計算しやすいように変換します。

$1[b]=10^{-28}[m^2]=10^{-24}[cm^2]$ですので、$2.2\times 10^{-14}[b]=2.2\times 10^{-38}[cm^2]$となります。

$209[\mu g\cdot cm^{-2}]=209\times 10^{-6}[g\cdot cm^{-2}]=\frac{209\times 10^{-6}}{209}[mol\cdot cm^{-2}]=\frac{209\times 10^{-6}}{209}\times 6\times 10^{23}[個\cdot cm^{-2}]=6\times 10^{17}[個\cdot cm^{-2}]$

よって
$A=2\times 10^{13}\times 2.2\times 10^{-38}\times 6\times 10^{17}=4.4\times 6\times 10^{-8}[cm^{-2}\cdot s^{-1}]$

1秒当たりでこの値ですので、1個あたりの時間に直すには、
$\frac{1}{4.4\times 6\times 10^{-8}}[s]=\frac{1}{86400\times 4.4\times 6\times 10^{-8}}[日]=\frac{1}{4.4\times 6\times 8.64}\times 10^4<\frac{1}{25\times 8}\times 10^4=\frac{10000}{200}=50[日]$

よって解答は「2、44」となります。

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