H30年物化生1-1その2(第一種放射線取扱主任者)


質量数60の原子核が1.333keVのγ線を放出するとき、原子核が受ける反跳の運動エネルギーは(ウ)keVである。

結論から述べますと下記のように計算されます。
$$E_R=\frac{ {E_{\gamma}}^2 }{2M c^2} \cdots(式1)$$
\(E_R\):反跳核のエネルギー
\(E_{\gamma}\):γ線のエネルギー
\(c\):光速
\(M\):反跳核の質量

1原子質量(1u)あたりの静止エネルギー931.5MeVと質量数60より、
$$Mc^2=60 \times 931.5MeV$$よって、$$E_R=\frac{ {E_{\gamma}}^2 }{2M c^2} =\frac{1333^2}{2\times 60 \times 931.5 \times 10^6}=1.58 \cdots \times 10^{-5}eV=1.6 \times 10^{-2}MeV$$

式1と1uあたりの静止エネルギー931.5MeVを覚えていれば比較的簡単に解ける問題ですが、931.5MeVはともかく式1を暗記している人はあまりいないと思いますので、導出方法を解説していきます。

まずは下記の関係について確認しておきましょう。
$$E=h\nu\\p=\frac{E}{c}=\frac{h\nu}{c}$$
\(E\):光子のエネルギー
\(p\):光子の運動量
\(h\):プランク定数
\(ν\):光子の振動数
\(c\):光速度

今回は運動量保存の法則を利用します。
\(E_{\gamma}\):γ線のエネルギー
\(p_{\gamma}\):γ線の運動量
とすると上記の式より、
$$p_{\gamma}=\frac{E_{\gamma}}{c}$$

\(V\):反跳核の速度
\(M\):反跳核の質量
とすると反跳核の運動量\(p_R\)は、
$$p_R=MV$$

運動量保存の法則より、
$$p_{\gamma}=p_R\\ \frac{E_{\gamma}}{c}=MV$$

ここで反跳核の運動エネルギー\(E_R\)は、
$$E_R=\frac{1}{2}MV^2=\frac{1}{2}\times \frac{1}{M} \times M^2 V^2=\frac{1}{2M}{\left(MV\right)}^2=\frac{1}{2M} {\left( \frac{E_{\gamma}}{c} \right)}^2=\frac{ {E_{\gamma}}^2 }{2M c^2}$$

以上となります。
ご覧いただきありがとうございました。

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