H30年物化生問3-2その2(第一種放射線取扱主任者)


\(^{99m}Tc\)は、核医学診断に適した核種で最も多く利用されている。その\(^{99m}Tc\)を得るには、\(^{235}U\)の核分裂生成物から単離精製した\(^{99}MoO_4^{2-}\)を(K)カラムに吸着させる方法が使われている。\(^{99}MoO_4^{2-}\)が吸着したカラムに生理食塩水を通すと\(^{99m}TcO_4^{-2}\)が溶出される。その後カラム内に新たに生成する\(^{99}MoO_4^{2-}\)の放射能が最大になるのは、Iの(7)式よりおおよそ(L)時間後となる(ただし、\(ln2=0.693\)、\(ln11=2.4\)とする)。このように放射平衡を利用して短半減期の娘核種を繰り返し取り出す装置をジェネレータといい、その操作は(M)と呼ばれる。なお、近年\(^{99}Mo\)を得るために\(^{235}U\)の核分裂ではなく、\(Mo\)を原料として用いる方法が研究されている。その1例として、加速器からの高速中性子を\(^{100}Mo\)に照射して\(^{100}Mo\)(N)\(^{99}Mo\)反応を利用する方法がある。

(7)式は下記のとおりです。
$$t_{max}=\frac{1}{ln2}\frac{T_1T_2}{T_1-T_2}ln\frac{T_1}{T_2}\cdots(7)$$

前回はこちら。
それでは解説してきます。

\(^{99m}Tc\)は核医学検査のSPECTなどで使用されますが、半減期6時間で減衰してしまうため、そのままでは長期間保管することができません。そこで半減期\(^{99}Mo\)との過渡平衡を利用したミルキングという操作が行われます。

(K)に関してですが、ミルキングではアルミナカラムが使用されますが使用されますので、暗記してしまうのが良いかと思います。
(K)は「3、アルミナ」です。

(L)についてです。
(7)式に\(T_1=66\)、\(T_2=6\)を代入すると、
$$t_{max}=\frac{1}{ln2}\times \frac{66\times 6}{66-6}\times ln\frac{66}{6}\\=\frac{1}{ln2}\times 6.6\times ln11\\=\frac{1}{0.693}\times 6.6\times 2.4=22.8\cdots$$
よって、放射能が最大になるのは「3、23時間後」です。

ちなみに筆者なら、できるだけ約分して下記のように計算します。
$$\frac{6.6\times 2.4}{0.693}=\frac{2.2\times 2.4}{0.231}=\frac{2.2\times 0.8}{0.077}\\=\frac{0.2\times 0.8}{0.007}=\frac{0.16}{0.007}=\frac{160}{7}=22.8\cdots$$

(M)は先ほども説明した通り「4、ミルキング」です。

(N)についてですが、\(^{100}Mo\)と\(^{99}Mo\)は原子番号が同じですので陽子数は等しく、中性子数が1つ違います。そのため、中性子数が1つ減る反応を選べば良いです。
そのため、\(^{100}Mo\left(n,2n\right)^{99}Mo\)です。
よって「2、(n,2n)」です。

解説は以上となります。
放射線技術科学専攻の方であれば核医学検査等で勉強されている内容だと思いますが、それ以外の方でも\(^{99}Mo\)と\(^{99m}Tc\)のミルキングに関しては覚えておいた方が良いかと思います。

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