H30年化学3(第1種放射線取扱主任者)


環境水中のトリチウム濃度はトリチウム単位(\(TU\))で表すことがある。\(^3H\)原子数の水素原子数に対する比(\(^3H/H\))が\(10^{-18}\)のとき、トリチウム濃度を\(1TU\)とする。\(1TU\)の水\(1L\)当たりに含まれる\(^3H\)の放射能\([Bq]\)として最も近い値は、次のうちどれか。ただし、\(^3H\)の半減期は\(12.3\)年(\(3.88\times 10^8\)秒)とする。

見慣れない\(TU\)という単位が出てきて、一見難しそうな問題と思うかもしれませんが、問題文中に定義が載っていますので、それに忠実に計算していけばそこまで難しくはありません。
放射能の式は下記の通りです。
$$A_t=\lambda N_t \cdots(式1)$$
半減期が既知のため壊変定数\(\lambda\)は求めることが可能ですので、\(^3H\)原子数が求まれば放射能が求まります。

まずは水\(1L\)に含まれる\(^3H\)原子数を求めます。
水の分子量を\(18g/mol\)、アボガドロ数を\(6.0\times 10^{23}\)とすると、水\(1L\left(=1000g\right)\)中の水素原子数は、
$$\frac{1000}{18}[mol]\times 2\times 6.0\times 10^{23}=\frac{2000}{3}\times 10^{23}[個]$$
\(1TU\)のとき、\(^3H\)原子数の水素原子数に対する比(\(^3H/H\))は\(10^{-18}\)ですので、\(1TU\)の水\(1L\)中の\(^3H\)原子数は、
$$\frac{2000}{3}\times 10^{23}\times 10^{-18}=\frac{2000}{3}\times10^{5}[個]$$

式1から\(^3H\)原子数に壊変定数を乗ずることで放射能を求める。
半減期\(3.88\times 10^8\)秒から壊変定数は、
$$\lambda=\frac{ln2}{T}=\frac{ln2}{3.88\times 10^8}=\frac{0.693}{3.88}\times 10^{-8}[s^{-1}]$$
したがって、放射能は
$$\frac{2000}{3}\times10^{5}\times\frac{0.693}{3.88}\times 10^{-8}\\=\frac{2}{3}\times\frac{0.693}{3.88}=\frac{0.231}{1.94}=0.12[Bq]$$

以上となります。
第1種放射線取扱主任者の化学は、物質量:molが絡む問題が(筆者の知る限りでは)毎年出題されています。必要があれば高校化学の解説サイト等で、molの計算について勉強しておくことをおススメします。

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